概要
世界は新型コロナウイルスに大きな影響を受けた。今回の出来事をきっかけとして、リーダーが我々の生活に直接的な影響を及ぼしていることを再認識した人も多いだろう。そこで私が考えるリーダーについて整理した。
リーダーの方、これからリーダーになる予定の方、リーダーを目指している方に参考にしていただきたい。
リーダーの3つの機能
- 仕事の目的や効果を理解している
リーダーは、なぜその取組みやプロジェクトを実施するのか、そして最終的なアウトプットは何なのかを明確に理解しておく必要がある。リーダーは様々な決断をしなければならない。決断の軸となるのは目的と効果である。 - 周囲の人間を巻き込み、あるべき姿に向かって引っ張る
1人で完結可能な業務であればリーダーは必要ない。複数人で実行することでより効果が大きくなるから、集団で仕事をするのだ。集団で1つの目標に向かって仕事をするためには、引っ張る人間が必要だ。それがリーダである。プロジェクトの最終的な着地をメンバーに情熱を持って伝えるとともに、自身も背中を見せる必要がある。 - 作業の進捗状況をチェックし、フィードバックする
リーダーは熱意だけでは務まらない。指示したことをメンバーが実行できているか適宜チェックするとともに、必要に応じてメンバーの仕事ぶりに対し、称賛によるモチベーションの維持・向上、また修正指示や業務の配置変更など、細やかな対応をすべきだ。
理想のリーダー像
・利他の精神に基づき多くの人が幸せに近づけることを考えている
・自分のやるべきことを最後までやり遂げる覚悟がある
<リーダーは自然発生的>
・本人は自らリーダーになろうとしているわけではない
・自分の力だけではできないことを理解している
・周りの人の力を借りる謙虚さを持っている
リーダーの行動について
・何のためにやるのかの目的を示すことができる
・方針を明確にした情報発信をすることができる
・信頼して任せてくれる
・実行に移るように自らも率先して動く
・周りの人に動き出しのきっかけを与える
・実行の際はサポートする
・楽しみや達成感を与える
・責任をとることができる
人を動かすとは
・一人の人間の力では限られている
・成し遂げようとする物事が大きいほど多くの人の力が必要
・この周囲の人に動いてもらう状態になることを「人を動かす」という
人に動いてもらうにもレベル感がある
①仕方なくやらされ感いっぱいで動く※
②自ら進んで動く
という状態では「動く」ということ自体で同じだが成果は後者の方が大きい
※①のやらされ感で人を動かす要因
・トップダウンの命令
・お金や地位、名声といった報酬
人を動かすことに関する日本の問題
・少子高齢化
・経済のグローバル化
・原発を始めとするエネルギー問題
・東日本大震災からの復興
・新型コロナウイルスに対する対応
日本がこれまでに経験したことのない様々な問題が山積し、状況も日々変化している。
このような複雑な状況ではリーダーのみの能力で対応することは難しい。
一人ひとりが持つ情報や知恵を結集し正解ではなく最適解を求めていく必要がある。
このような時代でありながらも十分な議論がなされないまま、強制力を行使し部下を従わせることが日常化している組織や上司は多く存在している。
・そのような職場からは職員の笑顔が消え、活気がなくなる
・言われたことしかできないマニュアル型職員が生まれる
・権力で部下を従わせる時代は終わりだと思っている職員からは反発
忘れてはならないこと
・部下は感情を持たないロボットではない
・一人ひとりが感情を持った人間
⇒人としての尊厳を忘れ権力を振りかざした時の弊害は上司自身にも降りかかる
<力を振りかざすことで失うもの>
・組織内の人間関係が損なわれることによる孤立
・正しい情報が入らなくなることによる誤った意思決定
・ストレスによる体調不良
⇒権力では人は気持ちよく動いてはくれず組織も活性化しない
<権力を用いることが望まれ結果につながる場合>
・災害時などの緊急非常時
・人の生命や財産を保護するために1秒を争う対応が求められる
⇒指揮命令系統を一元化した迅速な対応が必要