よく聞く言葉がある。
「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」
これはドイツの名宰相、オットー・ビスマルクの言葉である。
さてタイトルの話をしようと思うが、仕事でよく使う手法として、PDCAサイクルというのがある。
これはまず計画(Plan)を立て、その計画を実行(Do)する。
その後、検証(Check)を実施し、対策(Action)を講じるというものだ。
多くの新入社員がはじめに研修等で上司からアドバイスされる。
「PDCAを意識しなさい」「PDCAサイクルを早く回しなさい」
確かにPDCAサイクルを繰り返すことで、業務の精度が高くなり成果は上がる。
しかしビスマルクから言わせれば、それは愚者のやることだ。
PDCAサイクルを回すということは、経験から得られたことをヒントに振返りをして、対策を検討することを繰返すということだ。
経験には限りがある。人生は一回きりで時間は有限だ。だから経験を元にした成長には限界がある。
だからビスマルクは経験に頼るのは愚者だと言っているのだ。
頼るべきは歴史だ。自身の経験ではなく、自分以外の誰かが実践した事柄について情報収集を行い、そこから学びを得るのである。
そうすれば時間に縛られず、限界はない。
経験から学ぶことよりも大事なことは、歴史を自身の状況に当てはめて対応していく力だ。
テクノロジーが進化しても、人間自体は過去も今も同じだ。
だから同じようなこと(全く同じでは無いにせよ)をしている。
最近は起業や副業の話題が多くなり、行動することが過大評価されているように思う。
行動するのは必須であるが、その前に関連する情報をしっかりと収集し、過去の事例などを頭に入れておく必要がある。
そうしなければ失敗する確率が高くなる。
孫氏はこう言っている「情報収集を怠るな。そして戦う前に勝つこと」
情報収集を行い、その情報から歴史を理解し、自身の現状に当てはめ適切な対応をしていく力こそ、いま求められてるものだ。