読書メモ

マインドコントロール(洗脳)について

概要

「洗脳は日常に潜んでいる」と言えば、疑問を持つ人も多いかと思う。
しかし、生活をしているうえで「なんで騙されるの?」「なぜそれを信じちゃうの?」といった疑問を持つエピソードを聞いたことはないだろうか。程度の差はあるにしても、ある人は利益を得るために、人間の心の仕組みを理解し、誰かを思うように操っているのかもしれない。
以下に洗脳の定義や解除、洗脳の方法について記した。もしあなたの周りに該当するような人がいれば、注意していただきたい。

洗脳について

洗脳とは
隠れた欲望や恐れ、憎しみを起点として発動するもの

強力な存在感を持つ他者に従属
安心できる→影響され依存する

組織への従属
自己実現への想い→理想化された存在を求める

自らの問題を外部の可能性だと思ってしまう
自己否定からの開放

洗脳の解除

・その環境から切り離す
・正論で論破する…相手の信念を崩壊させる
・短時間で集中攻撃する…相手を疲弊させ、一気に攻める
(手を緩めると戻る可能性あり)

上記は強制的な介入により本人の幸福を阻害する可能性があるため
①自傷他害行為
②違法行為
③人権侵害
④精神障害
などで現実的な判断ができない場合に限る

本人が本音を語り始めると、相反する2つの気持ちが出てくる。
この両価的な気持ちを言語化することが重要である。

マインドコントロールの問題は自立と共存
→どれだけ主体的に生きれるかが問われている

洗脳の方法

①情報の制限or過剰に
・脳にはキャパがあり適度な情報を求める
・情報が不足→情報に飢える
・膨大な情報→思考の停止

②脳を慢性疲労状態にさせる
・睡眠や食事制限、ストレスをかけることで脳を疲労させ、思考力を低下させる
(睡眠障害、栄養不足、過度なストレス)

③救済や幸福を約束する
・救われる道があると語りかける
(この時点で精神的な抵抗や批判的に考える力は無い)
・信念を同じにすれば素晴らしい人生が始まると希望を約束する
(ポイントはカリスマ性)

④仲間であることを強調し、愛情や共感を与える
・人は社会的な動物であるため、愛されたいし、裏切られたくない
・親しみや好感を抱くようになると断れなくなる

⑤自己判断を許さず、依存状態に置き続ける
・主体的な行動をさせず、支配者だけが意思決定する
・メンター(相談役)を置き、自己判断や自己解決の機会を奪う

マインドコントロールされやすい要因

①依存的
主体性の乏しさと過度な周囲への気遣い

②人の話を信じやすい
信心深く、人の言葉を真に受けやすい(全体の1/4と言われる)

③願望と現実のギャップが大きい
願望は大きいが、自信が無く、劣等感を抱えている

④ストレス耐性が低い
ネガティブな感情や欲求不満、怒りを持っている

⑤サポートがない
孤独で相談役がいない

参考文献

『マインド・コントロール 増補改訂版 (文春新書)』岡田尊司 著