概要
社会や組織が変革をする際に必要なプロセスをまとめた。
各種施策を実施する際は、利害関係者に大きな影響を与えるため、スピードは落ちるが段階的に進めていくのがポイントである。
以下の手順で実施していく。
①変革基盤の構築→②現状の把握→③意識的な選択→④乖離の解消
第1段階 変革基盤の構築
・利害関係者を特定し、巻き込む計画を立てる
・あるべき姿と現在の状況について最初のイメージを共有する
-何がうまくいっていて、何がうまくいっていないか
・チームがシステム的に考え、対話する能力を開発する
第2段階 現状の把握
・現状把握のための対象人物と質問内容を明確にする
・要素と要素の繋がり(プロセスや時間的なもの)を理解し、ビジョンに繋がるか判断する
・人々の行動に影響を及ぼすメンタルモデルを浮き彫りにする
第3段階 意識的な選択
・変化と現状のモデルを対比し、便益(応急処置、満足感)をコスト(労力、時間、費用、投資)を考慮する
・関係者でトレードオフを理解し、解決策を検討する
・意識的に選択し、浮き彫りにするビジョンを通じて、その選択をブラッシュアップする
第4段階 乖離の解消
・コミュニティの意見を参考にレバレッジの効いた策を提案し練り上げる
-現在のシステムがどのように機能しているか人々の意識を高める
-因果関係を整理し組み直す
-メンタルモデルを変容する
-目標、計画、評価基準、インセンティブ、権限構造、資金調達手段を刷新
・継続的な学習を波及し、アクセスを確立する
・検証プロジェクトを組み込んだ実行計画を策定する
-利害関係者の意見を得て、定期的に計画を評価し修正する
参考文献
『社会変革のためのシステム思考実践ガイド――共に解決策を見出し、コレクティブ・インパクトを創造する(英治出版)』
デイヴィッド・ピーター ストロー 著